『つみきのいえ』ネタバレ感想・短編アニメの魅力を解説|切なくも温かな記憶に号泣|アニメの缶づめ

『つみきのいえ』ネタバレ感想・短編アニメの魅力を解説|切なくも温かな記憶に号泣

つみきのいえ
ほのか。
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La maison en petits cubes

『つみきのいえ』は、わずか12分の短編アニメーション映画です。

これまでに何度となく見てきたけど、感情が揺さぶられていつも号泣。このアニメは、セリフが一切ないんですよね。音楽とアニメーションの動きで展開されます。

ほのか。
ほのか。

言葉がなくても、登場人物の気持ちはしっかり伝わってくるんだ。

長澤まさみさんのナレーションバージョンもあるけど、なしバージョンの方が想像が広がるからおすすめです。よけいな言葉はいりません。

この記事では

『つみきのいえ』あらすじとネタバレ感想、アニメの魅力について書いています。

『つみきのいえ』あらすじ&作品情報

あらすじ

海面が上昇し水没しつつある街に一人、まるで「積木」を積んだかのような家に暮らしているお爺さんがいた。彼は海面が上昇するたびに、上へ上へと家を建てて穏やかに暮らしていた。ある日、お気に入りのパイプを海中へ落としてしまったお爺さんは、ダイビングスーツを着て海の中へと潜っていく。その内に、かつて一緒に暮らしていた家族との思い出を回想していくのだった。

作品情報
  • 監督 : 加藤久仁生
  • ジャンル : ほのぼの・日常
  • 放送期間 : 2008年
  • 時間 : 12分(短編アニメーション映画)

『つみきのいえ』ネタバレ感想・解説|切なくも温かなストーリーに号泣

お爺さん
© ROBOT

『つみきのいえ』登場人物は、一人暮らしのお爺さんです。それから彼の回想の中に登場する家族。

哀愁をさそう絵のタッチが素敵でした。鉛筆で描かれたような質感や、それでいて力強いタッチがこの物語にメリハリを出しています。

  • 現実(地上)では、くっきりとした力強いタッチ
  • 回想シーンでは、淡く儚げなセピア色
ほのか。
ほのか。

現実と回想シーンでは、絵のタッチや色合いに違いを感じたよ。

ひとりでも今をしっかり生きているお爺さんの現実と、切なくも温かな思い出・・・。絵の陰影がお爺さんの心情とリンクしているような印象を受けました。

水没しつつある街で、ひとり暮らすお爺さん

水没しかけた街
© ROBOT

お爺さんが住んでいるのは、海面上昇で水没しかけている街です。彼の他にその街に住んでいる人は見当たりません。

壁に飾られた数々の家族の写真をながめるお爺さんが、ひとり寂しそう・・・。

ぱんだ。
ぱんだ。

でもそう感じたのは始めだけだった。

ある日、お爺さんが起きたとき、水面はさらに上昇して床まであがってきていました。

床まで浸水した家
© ROBOT

頭をかくお爺さんが、なんだか可愛いかったです。「参ったなぁ。」って思っているようで・・・。

浸水する度に上へ上へと家を建て増ししていきます。またひとつ家を積み重ねてのお引越し。

ほのか。
ほのか。

お爺さんは、なぜ建て増ししてまでもそこに住み続けてるのかな。

この後に展開されるストーリーを見ていくと、その理由がおのずと想像できるんです。

パイプを拾いに下の階へ|よみがえる思い出と回想

海の中へ潜るお爺さん
© ROBOT

建て増しした上の階にお引越しする途中で、お爺さんはお気に入りのパイプを海の中へ落としてしまいます。

ダイバースーツを着て下の階へ。パイプを拾ったときに、不意によみがえる記憶がありました。

床に落としたパイプを、彼の妻が渡してくれた記憶です。

ぱんだ。
ぱんだ。

普段は仕舞われている記憶。ふとした時によみがえるんだよね。

それが引き金となり、お爺さんはさらに下へ潜る。ここから回想シーンと現実が交互に描かれています。

妻を看病するお爺さん
© ROBOT

壊れたベッドと、妻を看病するお爺さん。水没しているソファと、娘夫婦と孫と一緒に写真撮影した記憶。

みんな楽しそうに笑っていた過去。回想の後で現実にひとり佇むお爺さんを見てると切なくなりました。

現実の海の中は淡めブルー、過去の回想シーンはセピア色で描かれた絵にも哀愁があります。

ほのか。
ほのか。

現実のブルーは切なくて、回想シーンのセピア色に温かさを感じたよ。

お爺さんは、さらに下へ潜る。

娘が家に恋人を連れてきたこと、彼女がまだ小さかったころの朝の食卓風景、船に乗って学校へ行く娘をみおくる妻・・・。

ふと上を見上げるお爺さんが海の中で目にしたのは、高く積み上がった家でした。大切な家族と一緒に過ごした思い出の詰まったマイホーム。

妻と食卓を囲んでいるお爺さん
© ROBOT

一階まで潜ったお爺さんの回想は、妻と食卓でグラスを合わせる直前で唐突に途切れます。

我に返ったお爺さんが目にしたものは、落ちていたグラス。彼はそれを持って上へ戻りました。

「つみきのいえ」は、お爺さんが歩んだ人生の象徴

お爺さんは、なぜ「つみきのいえ」に住み続けているのか。

「つみきのいえ」が家族との思い出の場所で、お爺さんが歩んできた人生の象徴だからです。

ぱんだ。
ぱんだ。

お爺さんの人生が垣間見えたよ。

長く生きている人には、それだけの歴史や思い出があって感慨深くなりますね。

お爺さんにとって「つみきのいえ」は、人生の大半を彼の大切な人たちと一緒に過ごした思い出の場所。・・・妻が亡くなった今、「相棒」みたいな存在なのかもしれません。

『つみきのいえ』は、どうしてこんなにも感動するのか|アニメの魅力

グラスを合わせるお爺さん
© ROBOT

『つみきのいえ』をみて何度も泣いてしまうのは、お爺さんの歩んできた人生に思いを馳せるからです。

セピア色で描かれた回想シーンにほっこりし、現実の海の中でひとり佇むお爺さんに切なさを感じました。

ほのか。
ほのか。

でもお爺さんはひとりなのに、ちっとも寂しそうじゃないんだ。

回想を終えて、「つみきのいえ」の最上階で食卓につくお爺さんは、人生を謳歌しているように見えるんですよね。

力強く生きているお爺さんを見てると、私も頑張ろうと勇気をもらえます。

最後に、一階で拾ってきた妻のグラスと、お爺さんのグラスを合わせた「チン」って音が心に残りました。

亡き妻に込めた「ありがとう」という感謝の気持ちが想像できて、嬉しくなります。

ぱんだ。
ぱんだ。

良いラストだね。

『つみきのいえ』絵本もおすすめ

『つみきのいえ』は、アニメを元にした絵本も出版されていて、こちらも素晴らしかったです。

著:平田 研也, イラスト:加藤 久仁生

絵本は淡いタッチのイラストで、優しい雰囲気でした。原作アニメとは違う部分(お爺さんが落としたパイプが絵本では工具)もあったけど、こちらもおすすめです。

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ぱんだ。
ぱんだ。

別館では絵本のレビューも書いてるよ。

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