『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』ネタバレ感想&漫画の魅力「NieR:Automata」A2の過去
月に見捨てられたってことだ
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』コミック1、2巻を読みました。ヨコオタロウさん原作・監修「NieR:Automata(ニーアオートマタ)」と世界観を共有する『舞台ヨルハ』、『音楽劇ヨルハ』コミック版です。
ヨルハ部隊2号(A2)の過去「真珠湾降下作戦」を描いた『NieR:Automata』アナザーストーリー
先に舞台『音楽劇ヨルハ』を見ていたからストーリーは知っていました。コミックは2号の心情が描かれていて、より理解が深まりますね。
リリィの過去も描かれていたよ。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』あらすじ&作品情報
遠い未来。突如襲来したエイリアンと『機械生命体』によって地球は侵略され、人類は月へと逃れた。人類はアンドロイド兵士を開発して、抵抗軍を組織。西暦11941年。膠着した戦況を打破するべく、新型の女性アンドロイド型決戦兵器による部隊「ヨルハ」が編成され、地球の前線へと降下した。人類のために地球を奪還する……その目的遂行のためだけに戦う自動歩兵人形の未来とは?
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』コミック1、2巻ネタバレ感想&魅力
PlayStation4ゲーム「NieR:Automata(ニーアオートマタ)」に登場するキャラクター・A2とアネモネが初めて出会った真珠湾降下作戦。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』コミックの魅力は・・・、
- (やっぱり)鬱展開だけどストーリーが面白い
- A2とアネモネの過去がわかる
「真珠湾降下作戦」で生き残ったのはA2(2号)とアネモネだけだから、やっぱり鬱展開なんですよね。しかも本編オートマタでは、A2はヨルハの裏切り者としてバンカー(司令部)より破壊命令がでているキャラ。
裏切ったのは……司令部だろう?
・・・と、オートマタではバンカーの裏切りを示唆していたけど、この言葉の真意がわかるのが『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』なんです。
音楽劇と本編のゲームも絶品なんだ。おすすめだよ。
ゲーム『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』については、本編ノベライズ版を読んだときに少しだけ紹介しています。
真珠湾降下作戦の真実|月に見捨てられたヨルハ部隊
「真珠湾降下作戦」の真実が残酷なんですよね。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』より
機械生命体から地球を奪還するために決行された「真珠湾降下作戦」。オアフ島カアラ山の地下にある機械生命体のサーバーを破壊する作戦です。
でもそれは表向きで、降下したヨルハ部隊も知らない真実がありました。
「真珠湾降下作戦」はヨルハ部隊のデータをとり、より強力なヨルハ部隊を作り上げることを目的としたもの
いわば、2号たちヨルハ部隊はデータを取ることだけを目的とした実験部隊だったのです。・・・残酷だけど、初めから廃棄前提だったということ。
月に見捨てられたってことだ
月(人類)に見捨てられたと思うのもムリないわ。
ゲーム『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』でも「真珠湾降下作戦記録」を文章で読むことができます。・・・同じような絶望感は、いずれ9Sも身を持って実感することになるのだけど。
真実を知ってしまえば、生き残ったA2が「裏切ったのは司令部」と思ったのもムリはないことです。
レジスタンスの絆と名前
地球にはアネモネが属するレジスタンスがいました。200年前に決行された「第八次降下作戦」の生き残りで、機械生命体と戦っている旧型アンドロイド。
アンドロイドに名前は存在しないのだけど、彼女たちはお互いを名前で呼びあっていました
アネモネ、ダリア、デイジー、リリィ・・・。お花の名前なのが可愛いです。
ローズ隊長がみんなに名前をつけたみたい。
レジスタンスもヨルハも作戦遂行のためだけに組まれた部隊です。でもレジスタンスの彼女たちからは、まるで家族のような絆を感じました。
温かいんです、お互いを信じて守ろうとする関係が。彼女たちはもう兵士という間柄だけじゃないんですよね。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』より
ヨルハは名前を持つことを禁じられているけど、作戦が終わったら名前をつけてもらう約束をした2号。
2号は家族のようなレジスタンスの関係に羨ましさを感じたのかもね。
リリィの過去|レジスタンスが脱走兵になった理由
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』1巻ではレジスタンス・リリィの過去が描かれています。小さくて細くて戦闘モデルには見えないアンドロイド。
リリィは上級士官の愛人用モデルだった
上官のストレスのはけ口にされていたリリィを助けたのはローズ隊長です。それでレジスタンスの彼女たちは脱走兵として登録されることに・・・。
彼女たちが脱走兵なのには、そんな理由があったんだ。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』より
私がみんなを終わりの見えない旅路に引きずりこんだ
リリィはずっと引け目を感じていました。そんな彼女が論理ウィルスに感染してしまうのです。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』より
レジスタンスにはどうしようもできないことを、2号の指示で治したのは21号でした。
新型ヨルハ部隊とレジスタンス。最初は何かと衝突していたけど、機械生命体を殲滅する同士として一緒に作戦を遂行していきます。
信頼関係が絶対になったのは、リリィを助けた辺りからだね。
アニメ版では第6話にリリィの過去回想として「真珠湾降下作戦」が描かれていました。
2号&21号に注目|彼女たちが生きる意味
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』印象に残ったキャラは2人いました。
- 内気なアタッカー型2号
- 冷静なスキャナー型21号
作戦遂行のために地球に降下したヨルハ部隊の気持ちが変化していく。レジスタンスに出会って一緒に行動したことが大きかったのでしょうね。
月に見放された彼女たちが生きる意味とは何なのか
2号と21号に注目したよ。
内気なアタッカー2号が変わった理由
刀を使い、近接戦闘が得意なアタッカーモデル2号。自分に自信がなく内気なタイプで、特徴のない性格設定のアンドロイド
『NieR:Automata(ニーアオートマタ)』に登場するA2とは真逆のように見えるけど、まぎれもなく彼女は後のA2なんですよね。
なぜ彼女は変わったのか?
2号が機械生命体の殲滅に執念を燃やすようになったのは、仲間の死を目の当たりにしたからです。そしてバンカーの思惑(ヨルハが実験部隊でしかなかったこと)を知ったから。
オートマタをプレイすると、根っこの優しい性格は変わってないんだということはわかるんだ。
この作戦が終わったら、ローズ隊長に名前をつけてもらうことになっていました。その約束は果たされることなく・・・。
舞台『音楽劇ヨルハ』で最後にゴーグルを取った彼女の冷たい瞳、怒りに満ちた表情が印象に残っています。
ヨルハ部隊の象徴ともなっている黒いゴーグル。・・・実は「真実を見ない」という意味あいも含まれているんです。なかなか深い設定ですよね。
ちなみに、バンカー(司令部)は口元を黒い布で隠しています。これは「真実を言わない」との意味があるんだとか・・・。
裏設定が闇すぎてヤバイ。他にもヨルハ部隊の黒い服や、ゲームでバンカーがモノクロな理由も衝撃なんだ。
ニーアオートマタは裏設定までよく練られています。知れば知るほど闇が深くなるのだけど、そこにひきこまれるんですよね。
冷静なスキャナー21号の思い
舞台『音楽劇ヨルハ』を見たときから、21号が気になっていました。
情報収集や分析を得意とする非戦闘型スキャナーモデル21号。常に冷静で周囲を観察している
非戦闘モデルの彼女は戦いがはじまれば役に立たないと自覚しているけど、ほんとうは人一倍みんなを守りたいと思っているんですよね。
もうこの部隊に貢献できることはあまりないと言う21号。でも彼女は今もまだこの部隊に残り続けています。
その理由はバンカーの命令故にか、それとも・・・。
カアラ山のエレベーター・コントロールパネルに残って仲間を支援する・・・と言った彼女の気持ちを考えたくなりました。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』より
ここにいてハッキングを仕掛け、みんなを地下まで行かせること。
作戦を成功させることが、みんなを守ることになると思ったんじゃないかな。
一緒に残ったアネモネは彼女の異変に気づいていました。・・・このあとの3巻で、アネモネにとって残酷な判断が描かれるのですね。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』ここが面白い!
- 鬱展開だけど奥深いストーリー
- A2とアネモネの過去がわかる
- アンドロイドたちの絆を感じる
コミック『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』は、A2とアネモネの過去ストーリーです。「音楽劇ヨルハ」をなぞったものになっていました。・・・A2好きなら、これは読むべき。
ニーアシリーズではおなじみ(?)鬱展開だけど、物語に引きこまれたよ。