『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』ネタバレ感想&解説|リリィ生存ルート?闇展開に絶望
心なんてないはずなのに 私たちは感情に従って互いを支えあおうとしている
コミック『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』感想です。ヨコオタロウさん原作・監修、『NieR:Automata』と世界観を共有する『舞台ヨルハ』のコミック版。
『オートマタ』に登場するA2(2号)の過去「真珠湾降下作戦」ストーリーです。
ヨルハ部隊とレジスタンスのメンバーは、機械生命体のサーバーを破壊するためにオアフ島カアラ山のエレベーターホールへ
3巻はかなり重々しい展開となりましたね。LOST、LOST・・・です。
わかってはいたけど、実際に読むと心が沈む。
3巻を読んで気づいたことがありました。
コミックは『舞台ヨルハ』や『音楽劇ヨルハ』を元に描かれているのだけど、ストーリー展開は『舞台ヨルハVer1.3a(a)』よりになっている?・・・ということ。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』あらすじ&作品情報
アンドロイドvs機械生命体
西暦11941年。『機械生命体』によって侵略された地球を取り戻すため、真珠湾降下作戦で地上に到達した「ヨルハ」部隊の4人は、二百年も前に地上に投入されたレジスタンスと協力し、敵サーバー基地のあるカアラ山山頂のエレベーターホールに向かう。一方、衛星軌道上にある基地「バンカー」では、圧倒的に不利なヨルハ部隊に対する支援申請が、人類会議と司令官からことごとく却下され、フタバとヨツバは困惑していた・・・。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』ネタバレ感想|哀しく切ないLOSTシーンに絶望
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』3巻は、絶望感が半端ない展開になりました。
16号と21号のLOST・・・
このシーンはコミックの元となる『音楽劇ヨルハ』を見たときから印象に残っています。一度みたら忘れられない強烈なシーンなんですよね。
改めてコミックを読んでも哀しくなる。
16号も21号も、仲間(もしくは作戦遂行)のために自らを犠牲にします
ただひたすら人類のために戦う自動歩兵人形たちを見ていると哀愁を感じずにはいられなくなりました。
ヨルハ部隊ガンナー16号、LOST|カアラ山中腹にて
カアラ山中腹に留まり、敵・機械生命体の足止めをしていたヨルハ部隊ガンナー16号、レジスタンスのダリアとマーガレット。3人の前に新たな敵が出現します。
自分の反応炉(心臓)を機械生命体にぶつけて爆発させる
3人の自爆シーンに、いったん本を置きました。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』より
命惜しさに みすみす敵を逃すなんて クソな真似 アタシはしねえ!
この言葉、16号らしいや。哀しいけど、同時に美しさも感じるシーンだった。
16号だけじゃなく、ダリアとマーガレットも自らを犠牲にして山頂にいる仲間を守ろうとするんです。・・・彼女たちの気持ちに心うたれますね。
この辺り、実は『音楽劇ヨルハ』と少し違うところがあるんだ。
『音楽劇ヨルハ』では、カアラ山中腹に留まったのは16号とダリア、ガーベラ、リリィ、デイジーの5人でした。
後ほど説明しますが、ストーリーは『舞台ヨルハVer1.3a(a)』よりになっているようです。
ヨルハ部隊スキャナー21号、LOST|カアラ山エレベーターホールにて
アネモネとともにカアラ山エレベーターホールに留まり、ハッキングを仕掛けていたヨルハ部隊スキャナー21号。
彼女は論理ウィルスに感染していました
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』より
ウィルス汚染が完全にまわりきるまで猶予があります だからアネモネさん・・・どうかお願いします
ああ・・・ちゃんと・・・殺してやる
21号とアネモネのやりとりに鳥肌がたった。アネモネも酷な役を引き受けたね。
21号を撃った直後のアネモネの叫びは心に刺さりました。コミックで描かれている21号の回想シーンにも・・・。
ウィルス汚染された21号が最期に見た光景は過去の回想です。2号と4号、16号との。
3人を追いかけようとして、アネモネに撃たれる最期がなんとも・・・切なかった。
このシーンは『舞台ヨルハVer1.3a(a)』で同じように描かれています。男性キャストだけど、こっちも切なすぎて号泣ものでした。
感情の赴くまま、仲間を思いやるアンドロイドたちに心動かされる
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』より
ヨルハ部隊もレジスタンスもアンドロイドなんだけど、感情があって仲間を思いやる行動に心が動かされるんです。
私たちはアンドロイド・・・造られた存在です 心なんてないはずなのに 私たちは感情に従って互いを支えあおうとしている
- 仲間のためにエレベーターホールに残った21号とアネモネ
- 仲間を守るために自爆した16号たち
- リリィを守ろうとするデイジー
たとえ造られた存在だとしても、感情があるアンドロイドと人間、どちらも変わらないよね。
それなのに、アンドロイドは人類の兵器。使い捨てのように扱われる彼女たちの運命に哀しさがあふれます。
バンカーの司令官(ホワイト)と、オペレーターのフタバとヨツバの感情も揺れ動いていましたね。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』より
これから明かされるであろう真実にも注目だよ。展開が闇すぎて頭がクラクラしてきたけど。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』コミック版は『舞台ヨルハVer1.3a(a)』ストーリー!?
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』は『舞台ヨルハ』や『音楽劇ヨルハ』のコミック版なのだけど、3巻を読んで『舞台ヨルハVer1.3a(a)』のストーリーに沿っていると気づきました。
- 『舞台ヨルハVer1.3a(a)』は『音楽劇ヨルハ』の性別反転版
- もしかしてコミックは、リリィ生存ルート?
『ニーアオートマタ』アニメにはリリィが登場してるから、コミックが生存ルートなのか気になっちゃった。
『舞台ヨルハVer1.3a(a)』について|『音楽劇ヨルハ』性別反転版
『舞台ヨルハVer1.3a(a)』は『音楽劇ヨルハ』の性別反転版です。『オートマタ』に登場するA2(2号)の過去「真珠湾降下作戦」を描いた舞台劇。
- 『音楽劇ヨルハ』→キャストが全員女性
- 『舞台ヨルハVer1.3a(a)』→キャストが全員男性(aaバージョンは無観客で一部キャスト変更あり。ストーリーはほぼ同じ)
『舞台ヨルハVer1.3aa』は、アネモネ→ジャッカスに変更されています。円盤(Blu-ray)化されているのはaaバージョンの方なんですよね。
もともと『音楽劇ヨルハ』は見ていて、最近になって『舞台ヨルハVer1.3aa』を視聴したんだ。
『音楽劇ヨルハ』と『舞台ヨルハVer1.3aa』は大まかなストーリーは同じだけど、少し違った展開になります。
両方とも面白いよ。少しずつ展開も違うから別モノとして見れた。
音楽劇と舞台、ストーリーの違いに注目|コミックはリリィ生存ルート?
『音楽劇ヨルハ』と『舞台ヨルハVer1.3a(a)』で注目した大きな違いは、リリィです。
- 『音楽劇ヨルハ』→リリィは死んでしまう(カアラ山中腹にて)
- 『舞台ヨルハVer1.3a(a)』→リリィは生き残る(カアラ山エレベーターにて)
機械生命体に囲まれたカアラ山中腹に留まるか、否かでリリィの運命は変わっていました。
コミックでは、今のところ『舞台ヨルハVer1.3a(a)』のストーリーに沿っています
リリィはカアラ山中腹に留まらず、2号たちと一緒に山頂のエレベーターに乗るんですよね。・・・これは『舞台ヨルハVer1.3a(a)』のストーリー展開なんです。
このまま行けば『舞台ヨルハVer1.3a(a)』と同じく、リリィは生き残るかもしれない。
ただ、コミックは3巻でまだ途中です。・・・だからリリィ生存ルートなのか、違うのかわからないのだけど。続きが楽しみです。
(↑2024年7月、コミック4巻が発売されました!全4巻完結です)
もしもリリィ生存ルートだとしたら、アニメはコミックの世界線の延長線上にあるのかな。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録3』ここが面白い!コミックの魅力
- 感情を揺さぶる鬱展開
- アンドロイドたちの哀しい運命
- 徐々に明かされる残酷な真実
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』3巻は次々とロストしていくアンドロイドやレジスタンスに哀しさを感じる展開でした。その中でも彼女たちの仲間意識が美しく感じられる一冊です。
ヨコオワールド全開だね。早く続きが読みたいよ。
コミックのストーリーに沿っていると思われる『舞台ヨルハVer1.3a(a)』、『音楽劇ヨルハ』も合わせておすすめです。