『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』ネタバレ感想|リリィのラストは?怒りと絶望、仲間の美しき絆物語
コミック版、ついに完結!!
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』コミックの感想です。『NieR:Automata』と世界観を共有する『舞台ヨルハ』、『音楽劇ヨルハ』コミック版の第4巻(完結巻)を読みました。
鬱展開に絶望しまくり
『音楽劇ヨルハ』、『舞台ヨルハVer1.3a(a)』を見ていたからストーリー展開は何となくわかってはいたんです。それでも戦慄しますね。
絶望の嵐だったけど、ラストにゲーム『NieR:Automata』森の王国シーンが描かれていて、おっ!・・・となりました。
A2と2B、9Sの出会いシーン。これは粋な計らいだった。
このコミックは、『NieR:Automata』に登場するキャラ、A2の過去ストーリーを描いた作品です。コミックを読んでおくと、より彼女のことが愛おしくなること間違いなしです。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』あらすじ&作品情報
完結の第4巻!!
西暦11941年。『機械生命体』によって侵略された地球を取り戻すため、敵サーバー基地のあるカアラ山山頂のエレベーターホールから侵入した二号と四号。そして、レジスタンスのローズとガーベラは、サーバールームのある第12階層で機械生命体の二人の少女たちと対峙する。一方で衛星軌道基地でもヨルハ部隊の支援に関し、それぞれに疑問と葛藤が生じていて・・・。機械生命体の少女たちから明かされる人類会議が決めたヨルハ計画の意義とこの作戦の目的とは?
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』ネタバレ感想|赤い少女&衝撃の鬱展開
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』第4巻(完結巻)、やっぱり鬱展開で絶望の嵐となりました。感情が揺さぶられまくりです。
わかってはいたんだよ、うん。
4巻の初めにバンカーにて、フタバとヨツバのやり取りが描かれています。
私たちは一体 なんの作戦を 支援しているの?
何度もヨルハ部隊の作戦支援を申請しては却下されていた彼女たち。・・・こんな疑問を持つのも頷けますね。
3巻でガンナー16号とスキャナー21号がLOST。ようやく敵サーバー基地にたどり着いた2号たちは、現実逃避したくなるような真実を知ることになります。
彼女たちと一緒に絶望を感じたところが、2つありました。
舞台の映像をみたときも戦慄したけど、コミックを読んでも谷底に突き落とされた気分になった。
絶望感が半端ない!人類会議の目的(作戦の真実)
敵サーバー基地、最下層にたどり着いたヨルハ部隊・2号と4号、レジスタンス・ローズとガーベラ。彼女たちを待ち受けていたのは、ふたりの赤い少女でした。
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』より
赤い少女たちの正体は、アンドロイドを模して作られた機械生命体の端末
人類会議のサーバーにハッキングしていた彼女たちから、衝撃の真実が明かされます。
君たちが戦いに勝ち バンカーに帰ることは 初めから 作戦に組み込まれていなかったんだ
どうゆうことかと言うと、ヨルハ部隊は最初から捨て駒だった・・・ということなんですよね。
凄惨な戦場や過酷な別れによるストレスが、より戦士を成長させると考えているんだ。
『ニーア』で描かれているアンドロイドたちは、人間と同じような見た目と、人間と変わらない感情を持っています。
LOSTした16号や21号、レジスタンスのメンバーたちの自分を犠牲にしてまでも仲間を守る姿を見てきたから、切なくなりました。・・・切ないという言葉だけじゃ足りない、深い絶望です。
残酷すぎる、人類会議。
これでもかってくらいの鬱展開で心が揺さぶられる。・・・このどん底まで落とされる残酷さと、それでいてどこか美しくも感じる悲哀に満ちた世界観が『ニーア』作品の魅力でもあります。
LOSTした16号とダリアに戦慄|赤い少女たちの残酷な仕打ち
人類会議の真の目的も残酷さ半端なかったけど、さらに赤い少女たちの仕打ちも残酷でした。
戦場でLOSTした16号とダリアが、2号たちに襲いかかる
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』より
赤い少女たちは戦場でLOSTした16号とダリアを持ち帰って直し、2号たちと戦わせるのです。・・・このシーンは舞台でもコミックでも、何度みてもヤバさMAXですね。感情を失ってしまいます。
笑いながら見ている赤い少女たちが意味不明すぎて怖い。
赤い少女たちは、ゲーム『NieR:Automata』にも出てくる不気味なキャラです。『音楽劇ヨルハ』ではタームα、タームβとして登場。アニメ版でも第1クール終盤に出てきましたね。
もはや怖すぎて理解不能なキャラ。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』コミックの延長線がアニメ!?リリィは生き残るのか
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』第4巻で、読む前から一番気になっていたのはリリィです。
リリィは生存するのか
コミックの原案となっている『舞台ヨルハ』。その後に作られた『音楽劇ヨルハ』と『舞台ヨルハVer1.3a(a)』(『音楽劇ヨルハ』の男女逆転版)。
コミックはこれらが元になっています。大まかなストーリーは同じだけど、それぞれ少しずつ違うんですよね(※初演『舞台ヨルハ』は未視聴)
- 『音楽劇ヨルハ』→リリィは死んでしまう(カアラ山中腹にて)
- 『舞台ヨルハVer1.3a(a)』→リリィは生き残る(カアラ山エレベーターにて)
『舞台ヨルハVer1.3a(a)』はリリィが生き残るんだ。
そして、コミック版『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』は見た目は『音楽劇ヨルハ』だけど、ストーリーは『舞台ヨルハVer1.3a(a)』に沿っているんです。
リリィ、生き残りました!
・・・ということは、コミックの延長線の世界がアニメなのかもと想像が膨らみます。
リリィは原作ゲームには登場しないキャラ。「真珠湾降下作戦」を描いた舞台とコミックに登場します。アニメには登場していますね、レジスタンスのリーダーとして。
アニメに登場するのがわかって注目したキャラなのだけど、また新鮮な気持ちでニーアを楽しめるのが嬉しい。
『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』は、2号の怒りと仲間の絆を感じた作品
出典:『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録4』より
展開が鬱すぎる『ヨルハ 真珠湾降下作戦記録』。全巻を通して絶望感と同じくらい、仲間の絆を強く感じる物語でした。
自らを犠牲にしてまでも仲間を守ろうとするアンドロイドたちに泣ける
自己犠牲の愛については肯定しないけど、仲間を守ろうとする彼女たちの気持ちに美しさを感じます。
4巻の終盤、2号が赤い少女たちに言い放った言葉が心に刺さりました。
お前たちに・・・私たちの生き方を笑う資格なんかないッ!
彼女の怒りの叫びに心が震えた。
コミック終盤に差し掛かるまでは、芯は強いけどちょっぴり弱々しいキャラだった2号。目の前で大切な仲間を殺され、怒る姿に『NieR:Automata』A2の機械生命体を殲滅しまくるキャラが被ります。
被るも何も同じキャラなんだけどね・・・。
コミックのラストに『NieR:Automata』の髪が長いA2、そして森の王国のワンシーンが描かれていました。
舞台は2号が機械生命体を殲滅するシーンで終わりだったから、ゲーム本編のワンシーンが見れて、ホっとすると同時に深呼吸したい気分にもなりました。・・・またここから始まるんだよね、と。