『東京BABYLON(バビロン)』ネタバレ感想・あらすじ&魅力|CLAMP原作漫画
東京がきらいですか?
『東京BABYLON(バビロン)』は、学生の頃、私が初めて読んだCLAMP漫画です。当時はCLAMPの素敵な絵柄と鬱ストーリーに衝撃を受けて、忘れられない作品になりました。
私の中ではCLAMPと言えば『東バビ』。レビューとともに『東京BABYLON』の魅力を3つ紹介します。
改めて再読したけど、かなりなバッドエンド。初のCLAMPにしては衝撃すぎた。
『東京BABYLON(バビロン)』あらすじ
皇昴流は人々を呪いや怨霊から守る陰陽師一族の若き当主。優しく繊細な彼を見守り励ます、明るい双子の姉の北都。皇家に敵対する強大な力を持ち、かつ残忍な暗殺集団といわれる桜塚護(さくらづかもり)の跡取りで獣医師の桜塚星史郎。絶対に相容れない一族同士のはずが星史郎は常に昴流と行動を共にし、優しく振舞う。やがて星史郎の目的が明らかに・・・。
東京で繰り広げられる人間ドラマ|『東京BABYLON』ネタバレ感想・魅力①
『東京BABYLON』は、東京で繰り広げられる人々のドラマが面白くてジーンとする。
漫画『東京BABYLON』は、大まかに分けて9つのストーリー+αで進んでいきます。
- 0.「T・Y・O」服に憑いた生霊
- 1.「BABEL」女優を夢見た女性(東京タワーにて)
- 2.「DREAM」眠り続ける昴流の同級生
- 3.「CALL」ダイヤルQ2にハマった少女たち
- 4.「CRIME」犬神に託す母親
- 5.「SAVE」いじめられた少女
- 6.「OLD」夫婦と同居しているお爺さん
- 7.「BOX」不倫女性(カラオケボックスにて)
- 8.「REBIRTH」腎臓病の男の子と母親
+αの部分は、昴(すばる)の姉・北都(ほくと)ちゃんパートと昴流の過去パート、後半に描かれる昴流&星史郎(せいしろう)パートです。
東京で繰り広げられる人間ドラマを垣間見ながら、陰陽師の昴流が除霊をしていく。そのストーリーが面白くて泣けるんです。
「BABEL」と「OLD」が好き。レビューとともにストーリーを紹介するね。
「BABEL」女優を夢見た女性(東京タワーにて)
第1巻、はじめの方で描かれている「BABEL」は、東京タワーでの除霊シーンが印象強く残っています。
CLAMP作品って東京を舞台にしているものが多いよね。
まだスカイツリーができていない頃のシンボルと言えば、やはり東京タワー。『東バビ』を初めて読んだとき、東京タワーが特別なところに思えました。
「BABEL」では・・・
東京タワーの大展望台だけ揺れるとの依頼で昴流が除霊をします。東京タワーにいたのは、女優を夢みて上京して絶望した女性でした。
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
ずるいよね 才能があるって それだけで『凡人』は なにをしてもかなわないもん
彼女の言葉が切なく心に響きます。やっと映画の話がきたけど、主演女優がへそを曲げて中止・・・。
不平等な世の中。
才能がない彼女がどんなに望もうとも、結局、夢は叶わなかったのです。絶望して身を投げた彼女は、それでも東京タワーに留まっていました。
東京は嫌いと言いながら、なぜ東京タワーに留まっているのか。
本当は東京タワーが好きだったのですよね。
落ち込んだときによく東京タワーに登って、そこから夜の東京を見るのが好きだった彼女。良いことは何もなかったと思っていても、そんなことはなかったのです。
昴流と星史郎が彼女の言葉を聞いている姿に、ほっこりしたよ。
『東京BABYLON』は、昴流の除霊とともに様々な人間ドラマが展開されます。たくさんの思いが溢れた東京が怖くなったり、逆に温かな気持ちになったり・・・。
CLAMPの東京マジックにハマりました。
「OLD」夫婦と同居しているお爺さん
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
切なくて読みながら泣いたのが「OLD」。娘夫婦と同居しているお爺さんが登場するストーリーです。
除霊の帰り、公園で上野動物園の飼育係だったお爺さんと出会った昴流。
昴流の夢は動物の飼育係だから、お爺さんと話が合ったんだね。
家では「お荷物」扱いのお爺さんは、肩身の狭い思いをしていました。それでも亡き妻との約束を守ろうとする姿が尊いです。
亡き妻の遺言は、「自分の代わりに、娘が喜ぶことを100個してあげる」というものでした。
佳苗 あと『ひとつ』だ あと『ひとつ』で おまえのところへ行けるぞ
風邪で寝込んだ娘のためにバナナを買いに行ったお爺さんは、トラックに撥ねられてそのまま・・・。
大切なことは失ってから気づくんだ。
父親の気持ちを知った娘は辛く当たっていたことを後悔するのですが、もうお爺さんはいません。
お年寄りには生きづらい世の中の描写がリアルに感じられて胸が痛みました。親というものは子がいくつになっても幸せを願うものなんですね。
昴流と星史郎|『東京BABYLON』魅力②
皇一族の13代目当主・皇昴流と、暗殺集団「桜塚護(さくらづかもり)」後継者・桜塚星史郎の関係
『東京BABYLON』の最大の魅力は、皇昴流と桜塚星史郎・・・と言っても過言ではありません。
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
皇一族と桜塚護は、言わば敵対関係。
それなのに昴流には星史郎が大切な人となり、でも星史郎の気持ちは謎なままラストを迎えます。北都ちゃんを巻き込むカタチで・・・。
昴流への星史郎の気持ちは、いろいろと考察されてるよね。
星ちゃんにとっても昴流は特別であってほしいな。
昴流&星史郎の絡みで好きなシーンが2つあります。
星史郎、愛の告白|好きなシーン①
2人の絡みで、星史郎が昴流につめよるシーンが幾度とありドキッとしました。
僕は昴流くんが好きですよ
愛の告白!?星史郎の方が積極的で、昴流はタジタジだけどね。
星史郎と言えば広い肩幅が魅力的。・・・と言うか、広くなければ星史郎じゃない!!と思うくらいに魅力的です。
めちゃめちゃ素敵だ、星ちゃん。
本気モードからお茶目になる星史郎のギャップも良いんですよね。
昴流が頼った人|好きなシーン②
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
なら、自分も許してあげなさい
「CRIME」のワンシーン。苦しいときに昴流が頼ったのは星史郎でした。除霊で相手に嘘を伝えた昴流は泣きながら星史郎のもとへ・・・。
この時にはもう昴流の中では、彼が特別になっていたのかもね。
「自分も許してあげなさい」と言った星史郎の言葉が優しさに満ちていました(本心かどうかは別として)。
きっと、星ちゃんの言葉に昴流は救われたに違いない。
北都ちゃんの衣装|『東京BABYLON』魅力③
個性が際立つ、北都ちゃんの衣装
『東京BABYLON』を読んでいて、まず目についたのは北都ちゃんの衣装でした。個性的で憧れる・・・。
可愛いんだよね。北都ちゃんの衣装で好きなものをまとめたよ。
まるで妖精の北都ちゃん
1番好きな北都ちゃんの衣装は、1巻「T・Y・O」で着ているものです。
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
たくさんの葉っぱが重なっているようにも見える衣装がカワイイ。
まるで妖精のようだね。
お花がキュート
物語後半の、お花がポイントになっている洋服も可愛くて目を引きました。
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
肩やウエストにお花があしらってあって、インパクトあります。
北都ちゃんは、お花も似合う。
昴流の式服を着た北都ちゃん
最後は昴流の式服を着た北都ちゃん。かっこよくて、式服姿もサマになっていますね。
出典:CLAMP『東京BABYLON』より
この後の展開がなければ、北都ちゃんの式服姿は印象に残らなかっただろうと思うよ。
式服姿の北都ちゃんを待っていたのは悲しく残酷な結末・・・。でも自ら式服に着替えた彼女を見ていると、ゆるぎない決意が感じられます。
北都ちゃんの式服姿を見ると泣いてしまうんだ。
『東京BABYLON』昴流と星史郎の決着は『X』で・・・
昴流と星史郎の決着がつかないままバッドエンドを迎える『東京BABYLON』。勢いで『X』も再読しちゃいました。
・・・と言うのは、CLAMPの別漫画『X』に彼らが登場し、一応の決着が描かれているんです。『X』は『X』で未完のまま休止されている状態なんだけど。
1番気になるのは、星史郎の気持ちだね。
昴流にとって星史郎は特別な存在になったけど、星史郎はどうなのか?
『X』でも星史郎の気持ちがちゃんと描かれていなかったりします。だから想像で補う的な終わり方なのですが・・・。
星ちゃんの中でも昴流は「特別」だったんだと思う。
『X』を読んでの、昴流と星史郎の気持ちを考察してみました。星史郎の中でも昴流は「特別」だったと思う理由は以下の記事をご覧ください。(ネタバレあり)
『東京BABYLON』登場人物
【登場人物】
- 皇昴流(すめらぎすばる)・・・主人公。16歳。皇一族の13代目当主
- 皇北都(すめらぎほくと)・・・昴流の双子の姉。ハイテンションでポジティブな性格の持ち主
- 桜塚星史郎(さくらづかせいしろう)・・・25歳。眼鏡をかけた大柄な青年。暗殺集団『桜塚護(さくらづかもり)』の跡取り息子で獣医師