アニメ『ぼくの地球を守って』ネタバレ感想|輪くんと前世の紫苑、9年の思い
前世から現代へ。
日渡早紀さんのコミックをアニメ化した『ぼくの地球を守って』感想です。昔から原作漫画が好きでした。
輪廻転生、ESP能力を描いたSFアニメ。
コミックスは全21巻(めちゃくちゃ面白くてハマりました)。
通称『ぼく地球(たま)』だよ。
『ぼくの地球を守って』あらすじ&作品情報
高校生の亜梨子は植物の気持ちがわかる不思議な能力を持つ女の子。小学校の小林輪を誤ってベランダから落としてしまい、目覚めた輪は前世の記憶を覚醒する。同じ頃、クラスメイトから月が舞台の不思議な夢の話を聞いた亜梨子。それがどうやら前世の記憶らしいとわかり・・・。
『ぼくの地球を守って』ネタバレ感想
出典 : アニメ『ぼくの地球を守って』より
前世に振り回される登場人物たちを見てると切なくなります。前世の記憶って何?必要なの?と。
現代に生きる彼らにしたら要らないのかも・・・。
でも前世の彼らも描かれているから。前世に視点を移してみると、思いは地球へと繋がっていると実感するんです。
地球を愛している木蓮や、自殺できなかった紫苑、玉蘭が好きだった槐、紫苑を恨んでいた秋海棠・・・。
現代の彼らには申し訳ないけど、思いは続いていると思うと嬉しい。
前世に翻弄される登場人物たち
前世に振り回される登場人物たちが痛ましいけど面白い。人を好きになる気持ちも影響するものなのかな。
- 槐が玉蘭に思いを寄せる
- 玉蘭は木蓮に思いを寄せる
- 木蓮に思いを寄せる秋海棠は紫苑になりたかった(?)
槐だった一成(♂)は 玉蘭だった迅八(♂)に恋をする。でも迅八は木蓮だった亜梨子に思いを寄せているんですよね。
出典 : アニメ『ぼくの地球を守って』より
前世で抱いていた気持ちは、そのまま現代でも同じ展開になるのが複雑でした。特に迅八を好きになる一成が切ない。・・・じゃっかんボーイズラブな展開です。
前世の面影を背負って生まれてるわけだから、この展開も致し方ないのかもね。
やっぱり一成の片思いで終わり、亜梨子を好きな迅八も恋叶わず。前世をなぞるように描かれているのが興味深かったです。
輪廻転生と前世の記憶
出典 : アニメ『ぼくの地球を守って』より
『ぼくの地球を守って』のキモは、前世でのある出来事にあります。それによって現代にまで影響がでて、登場人物たちの思いが交差する。
月基地で病原体が発生したとき、秋海棠は木蓮じゃなく紫苑を選んでワクチンをうったこと。
この出来事がなければ、ここまで複雑に入り乱れたりしなかったかも。
輪くんは9年も遅く生まれてくることはなかっただろうし、春彦との確執もなかったかもしれない。
でも前世は前世です。それなのに最も現代に引きずっているのが輪くんと春彦。彼らの確執は、田村さんやミクロくんなど関係のない周りの人々をも巻き込みます。
過去は現在を憐れむためにあるのだと僕は思いたくありません。未来は現在の埋め合わせをするためにあるのだとも思いたくありません。
春彦の思いが切ない・・・。
前世の記憶があるがゆえに現代にも引き継がれている。春彦にとってはシュールですよね。前世が秋海棠だったとしても、春彦と秋海棠は別人なわけで。
なぜ記憶を持ったまま彼らは輪廻転生してしまったのか。
辛い思いがたくさんあったから理不尽のようにも思いました。でもアニメの第6話、紫苑とラズロの家族ごっこを見ていると、ほんのり愛を感じます。
辛いことだけじゃなくて、幸せな思い出もたくさんあったんだよね。それは忘れたくないな。
きっと前世での彼らの無念や、地球への熱い思いが輪廻転生をおこしたんだ。
印象的なシーン|紫苑と輪くんの思い
印象に残ったのは、第3話「月の記憶」での雨のシーンです。雨の中、自分は木蓮じゃないと言う亜梨子を見つめながら輪くんは思う。
出典 : アニメ『ぼくの地球を守って』より
君さえ、君さえ そばにいてくれたら
輪くん(紫苑)の月での回想シーンになったあとで、輪くんが思った言葉です。紫苑の木蓮に対しての切実な思いが込められた言葉でした。
君(木蓮)さえ、そばにいてくれたなら。紫苑が狂ったように過ごした9年間は違ったものになっていた。
その9年間はどんなに辛かっただろう・・・。切ない。
『ぼくの地球を守って』の中で輪くんファンは多いはず。ひとりだけ小学生で覚醒してしまった輪くんは、前世の悪夢にうなされます。
健気で大人びた振る舞いをするのは紫苑の影響かもしれませんね。
ESP能力者の戦い|輪vsミクロ
前世で地球を見守っていた月基地のメンバー。玉蘭と紫苑、秋海棠はESP能力者でした。それにミクロくんも加わり戦うシーンが描かれています。
力と力がぶつかり大爆発を起こす。ドキドキのシーン。
ESPを使って仲間を脅す輪くんは少し不気味な感じがしました。でもそれを差し置いても輪くんが好きです。
巻き添えをくう田村さんもかっこ良いんですよね。春彦が信頼している唯一の人物。存在感大です。
1番好きなのは第6話「転生、そして・・・」
第6話「転生、そして・・・」が好きです。輪くんの回想(子どもの頃の紫苑)が描かれている1話。
紫苑は戦災孤児でした。サーチェス(消えたりできる能力)の持ち主で秀才。でも愛情を知らずに育った男の子です。
そんな彼が国に認められ、親代わりのラズロと家族ごっこをする。巨大な猫・キャーも一緒に。
出典 : アニメ『ぼくの地球を守って』より
キャーが可愛い。私もキャーの上で寝たい。
初めは尖っていた紫苑ですが、ラズロとキャーと暮らすことで初めて親の愛情を知る。親子のキスに涙を流す紫苑。
ラズロと暮らしたのは、たったの78日間でした。幸せな時間はあっという間ですね。ほんの一瞬とも思える時間だったけど癒されました。
『ぼくの地球を守って』みどころ・ポイント
- 前世に翻弄される登場人物たち
- 前世の記憶と輪くんの苦悩
- ESP能力者の戦い
みどころは、前世での記憶が現代に及ぼす影響。それによって登場人物たちは思わぬ運命に翻弄されていきます。
映像が美しくて、輪くんが可愛く切なくて、音楽が素敵でおすすめ。
アニメはコミック全21巻全て描かれているわけではないんですよね。途中で終わってるんです。コミックだと何巻くらいまでになるのかな。
主人公は坂口亜梨子だけど、彼女を好きな小林輪くんファンが多い印象(私も例外ではない)。
輪くんだけがなぜ小学生なのかにも注目だよ。