「Case.3 恩讐の彼方に―」|PSYCHO-PASS サイコパス SS|劇場版三部作あらすじ・ネタバレ感想

『PSYCHO-PASS サイコパス SS』劇場版3部作のラスト「Case.3 恩讐の彼方に―」を見ました。
主役は狡噛慎也。舞台は南アジア、シビュラシステムがない紛争地域です。
『Case.1 罪と罰』と『Case.2 First Guardian』では シビュラシステム前提の元で描かれていたのに対し、『Case.3 恩讐の彼方に―』は異質な感じがしました。

これまた、なかなかに深い作品だった。


『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』「Case.3 恩讐の彼方に―」あらすじ

2116年に起きた東南アジア連合での事件後、狡噛慎也は放浪の旅を続けていた。南アジアの小国で、狡噛は武装ゲリラに襲われている難民を乗せたバスを救う。その中には、テンジンと名乗る1人の少女がいた。かたき討ちのために戦い方を学びたいと狡噛に懇願するテンジン。出口のない世界の縁辺で、復讐を望む少女と復讐を終えた男が見届ける、この世界の様相とは・・・。
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』「Case.3 恩讐の彼方に―」ネタバレ感想
「Case.3 恩讐の彼方に―」は今までと違い、シビュラシステムがでてこない。その世界観は『PSYCHO-PASS サイコパス』では新鮮でした。
「Case.2 First Guardian」に続き、花城フレデリカも再び登場します。常守監視官や公安局の人たちは登場しませんが、フレデリカの話の中に少しだけ出てきました。
シビュラシステムがある世界とない世界、理想なのはどっち?

放浪の旅を続けていた狡噛慎也がたどり着いた南アジアの小国。シビュラシステムで管理されてない世界でした。

自然があふれていて、情景がキレイ。
サイコパスの世界観とはかけ離れた世界です。でもそこは紛争地域。人々の争いが続いていました。
一方、今までの『PSYCHO-PASS サイコパス』で描かれていたのは、徹底的にシビュラシステムで管理された世界です。
色相が濁ると執行対象になるからクリーンでいることを義務づけられた世界。それでも犯罪は0ではありません。
理想世界はどちらか。

どちらもイヤだな。
紛争地域で争いが絶えない世界も、シビュラシステムで管理された世界も、どちらもディストピア。

このディストピア感漂うのが『PSYCHO-PASS サイコパス』のアニメの良いところ。
狡噛慎也の考える「復讐」と「殺人」
狡噛慎也の内面が描かれているのが興味深かったです。彼の考える「復讐」と「殺人」について。
狡噛は過去に囚われて生きていました。まだ公安局にいたころ(シーズン1)、犯罪係数0の犯罪者・槙島に復讐した過去。
槙島の亡霊が登場します。槙島の言葉が印象的でした。
君は復讐を望んだ。それは死者のために生きるという選択だ
復讐を果たした狡噛は全てを失い日本にいられなくなる。今でも過去に囚われて生きています。
「Case.3 恩讐の彼方に―」では、もう1人、父親の復讐を誓った女の子・テンジンがでてきました。彼女は復讐をする機会を得ますが、何とか踏みとどまります。
狡噛の言葉を思い出したから。
一度撃てば、もう二度と人を殺す前の自分には戻れない。背負った罪は時間が経てば経つほど重くなる
重い十字架を背負った者の言葉です。狡噛の「殺人」に対しての考えでもありますね。

彼が失ったものはあまりにも大きいんだ。
過去に囚われず未来を生きる
狡噛と一緒に生活をして彼を見てきたテンジン。狡噛に出会わなければ、ずっとこれからも復讐を胸に秘めて過去に囚われ続けたかもしれません。
生きてる者は過去に囚われず未来を生きる。
復讐を思いとどまったテンジンや狡噛をみていると、辛いことがあっても進むべきなのは未来ということが胸に刺さりました。最後に彼は決意します。日本に帰ると―。

私も前を向いて生きよう。
『PSYCHO-PASS サイコパス Sinners of the System』「Case.3 恩讐の彼方に―」みどころ

- シビュラシステムがある世界とない世界の対比
- 狡噛慎也の内面
- 復讐の是非
「Case.2 First Guardian」に続き、「Case.3 恩讐の彼方に―」もなかなかシリアスな物語でした。みどころは狡噛慎也の内面です。
狡噛慎也が思う「殺人」と「復讐」について。
彼の内面が垣間見えて、キャラに深みが増しました。過去に囚われて思い悩む姿や、それでもまっすぐ懸命に生きようとする姿に胸をうたれます。

『PSYCHO-PASS サイコパス SS』劇場版3部作。3つとも深みがあって登場人物に愛着がわいたよ。
アニメ1期はこちら



