『少女終末旅行』最終巻ネタバレ感想&結末を考察|チトとユーリはどうなったのか?
いつかずーっと高くまで登ってさ・・・月に行こうよ
『少女終末旅行』コミックを全巻読みました。終末世界を旅する少女たちの物語です。シリアスな世界で、ほのぼのもして心に刺ささる・・・。
ふたりの空気感が良かったよ。
アニメ→原作コミックの順で両方楽しめました。アニメはサウンド効果もあって見ごたえたっぷり、コミックは淡々としている印象です。
『少女終末旅行』コミックあらすじ&作品情報
繁栄と栄華を極めた人間たちの文明が崩壊してから長い年月が過ぎた。生き物のほとんどが死に絶え、全てが終わってしまった世界。残されたのは廃墟となった巨大都市と朽ち果てた機械だけ。終わりの世界で、ふたりぼっちになってしまった少女、チトとユーリ。ふたりは今日も延々と続く廃墟の中を愛車ケッテンクラートに乗って、あてもなく彷徨う。
『少女終末旅行』アニメの続きは5巻から
アニメ版『少女終末旅行』は、原作コミックの途中までが描かれています。全6巻中の4巻まで。
アニメの続きは5巻からだね。
残り2巻で新たな出会いと別れもあり、物悲しさを誘いました。チトとユーリが最上階を目指す理由も明かされます。
5巻と6巻でも、チトとユーリの絆を感じたよ。
ふたりだったから、それと愛車ケッテンクラートがあったから彼女たちは最上階までたどり着けたのかもしれません。
『少女終末旅行』漫画ネタバレ感想|5巻&6巻(最終巻)心に残ったシーン
出典:『少女終末旅行』より
アニメの続きである5巻と6巻で、特に印象に残ったシーンは3つありました。
- 人工知能との出出会いと別れ
- 忘れかけていた記憶
- ケッテンクラートの最期
もう少しで最上階だね。
永遠に続くかと思うような旅路も、最上階が近づくにつれて名残惜しくなりました。
人工知能の絶望と別れ
今までたくさんの出会いと別れを繰り返してきたチトとユーリ。5巻でも心が静まり返るような出会いと別れがあります。
出典:『少女終末旅行』より
基幹塔を管理する人工知能。
立体映像なので透けていて、頭にある輪っかみたいのはステータスを表示しているようです。
まるで天使みたい。
ずっとひとりだったからチトとユーリが来て嬉しそうでした。体が伸びたりして、はしゃいでいる姿が微笑ましい。
・・・でも彼女(?)は深い絶望を抱えていたのです。
出典:『少女終末旅行』より
私は数十年かけて自己破壊のコードを書きました しかし最後の認証は人間の手が必要なのです
もうすべて終わりにしたい
都市の予備電力の予備の予備がなくなるまで生かされ続ける人工知能。記憶を消せるのでもなく、人間がいなくなった終末世界を永遠に記憶し続ける。
もしもぼくだったら狂ってしまう。「忘れる」ことって、生きていく上では大事なのかも。
意図せず最後の認証をしたチトとユーリ。人工知能の彼女が望んだことだけど、複雑な気持ちになりました。
忘れかけていた記憶|最上階へ向かう理由
基幹塔の人工知能と別れてから、昔の回想が描かれています。チトとユーリが旅する直前。
出典:『少女終末旅行』より
彼女たちはおじいさんの言葉どおりに最上階を目指したのです。ここはもうすぐ戦場になるから逃してくれたのですね。
お前たち二人なら少ない食料で長く生きられる
下の階層ではなく上へ行きなさいというのは、下は崩壊していたから?・・・それとも最上層には生き延びられる希望があるからなのか。
なぜ「上」なのかは描かれてないんだ。
チトとユーリが訪れた「上」も崩壊していたわけだけど、カナザワやイシイとの出会いがありました。食料も少し。そして6巻で描かれたラストは、たくさん想像を働かせたくなるんです。
最上階のラストについては後ほど・・・。
ケッテンクラートの最期
最上階まではまだあるというのに、愛車ケッテンクラートが壊れてしまいます。ここにきて・・・。
出典:『少女終末旅行』より
シリンダーはひび割れてシャフトはぐにゃぐにゃ あっちを直してもこっちが壊れる ・・・もう寿命だよ
チト、悲しそう。相棒みたいなものだからね、ケッテンクラートは。
もしもケッテンクラートがなければ、チトとユーリは最上階に行くことができなかったかもしれません。
チトとユーリとケッテンクラート。3つがあったからこそ、ここまで来れたんだ。
彼女たちの旅路に必ずいたケッテンクラート。・・・ショックだけど、愛車の最期が素敵でした。
ねぇ・・・お風呂に入りたくない?
雪を集めて布に燃料を染み込ませ火をつける。板を沈めれば・・・、ケッテンクラートのお風呂が完成。
出典:『少女終末旅行』より
雪の中、彼女たちの愛車は最期にふたりを温めてくれました。
お風呂の中で「あ゛あ゛ー」と泣き叫ぶチトの姿が悔しそうだった。
『少女終末旅行』最終6巻|最上階にあったもの
『少女終末旅行』最終巻でチトとユーリは最上階へたどり着きます。
最上階には何があるのか。
→結論を先に書くと、「最上階には石しかなかった」・・・ということになります。
出典:『少女終末旅行』より
周りには石があるのみだったけど、さすが最上階。上にはキレイな星空が広がっていました。
この星空、アニメで見たかったなぁ。
コミックでもこれだけ壮大で綺麗な空。きっと映像にしたらものすごく素敵に仕上がったに違いありません。・・・最後までアニメ化されていないのが残念です。
【考察】チトとユーリはどうなった?|寂寥感あるラストにしんみり
出典:『少女終末旅行』より
最後の食料を食べきったチトとユーリ。そのまま寝袋に入って眠ったところで物語は終わります。
彼女たちはどうなるのか。
えっ、これで終わり?
明確に描かれずに終わってしまうんです。せっかくだから、彼女たちがどうなったのかを想像してみました。
想像したのは、2つのルート。
- チトとユーリ死亡ルート
- チトとユーリ生存ルート
まぁ、一番気になるのは「チトとユーリがどうなったか」だから、おのずと2つに限られますね。
チトとユーリ死亡ルート|考察・想像①
まず考えるのは、そのまま死んじゃう説。
出典:『少女終末旅行』より
あのキノコ(宇宙生物?)の話を聞くと、たぶんチトとユーリ以外の人々はもう生きていないのではないか。だったら彼女たちもこのまま・・・と考えてしまいました。
食料も尽きたし、終末世界ではこのルートが一番リアルです。
切ないけど、チトとユーリは自然で少しも悲壮感がないんだよね。
だからこのルートを辿っても、そうだよねと納得しちゃう雰囲気があるんです。悲しいけど、自然なラスト。
チトとユーリ生存ルート(月へ行っちゃう説)|考察・想像②
もう一つのルートは生存説。
実はチトとユーリは月に行ったんじゃないかという・・・。何の根拠もないけど、言わば願望ですね。
そんな想像をしたのはコミック3巻で描かれたワンシーンが頭をよぎったからです。ユーリに語りかけるチト。
出典:『少女終末旅行』より
いつかずーっと高くまで登ってさ・・・月に行こうよ
このシーン、好きなんだ。
最上階には何もなかったけど、石がありました。実はその石の裂け目に秘密があって、ワームホールになっているとか。
出典:『少女終末旅行』より
一旦考えると妄想は止まらない。
チトとユーリだけでなく都市の住人のいくらかは月に逃れていて。・・・んでもって、おじいさんはこのことを知ってたから彼女たちに上へ行けと言ったのでは?
本当にそうだったら良いね。
死亡ルートか生存ルートか、真相は著者のみが知るということで・・・。この曖昧な終わり方は『少女終末旅行』に合っているような気がしました。
『少女終末旅行』アニメもコミックも絶品だった
『少女終末旅行』コミックを読んだら(読む前でも)アニメもおすすめです。
終末世界での感動や絶望が素敵なサウンド&アニメーションで楽しめました。アニメは全13話です。一気見にも良いですね。
原作コミックはこちら。
アニメもコミックも絶品だよ。