『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』ネタバレ感想|「アスターテ会戦」みどころを解説
負けなどするものか。俺とお前がともに戦う限り。
『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』劇場版アニメをみました。本編1、2話で描かれていた「アスターテ会戦」のリメイクストーリーです。
本編の「アスターテ会戦」をみてから視聴。面白かった。
劇場版は90分。本編「アスターテ会戦」までが丁寧に描かれていました。・・・これは名作ですね。めちゃめちゃ良かったです。
『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』あらすじ&作品情報
宇宙暦796年(帝国暦487年)第4次ティアマト会戦から帰還したヤンは、士官学校時代からの親友・ラップに出迎えられた。ラップは、ジェシカへ求婚することを決めたと告げる。結婚式を前に、第6艦隊司令部幕僚として戦場に赴くラップ。第2艦隊への配属が決まったヤンは、司令官パエッタ中将に疎まれつつも、予想される局面への対策を練っていた。一方、第4次ティアマト会戦で大きな武勲を挙げたラインハルトは上級大将に昇進した。そして、遂にアスターテ星域での会戦が始まる。
『新たなる戦いの序曲』は『わが征くは星の大海』の続き
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『新たなる戦いの序曲』は、時系列で言うと、劇場版アニメ『わが征くは星の大海』の続きにあたります。
- 『わが征くは星の大海』・・・宇宙暦795年「第4次ティアマト会戦」(小説では外伝)
- 『新たなる戦いの序曲』・・・宇宙暦796年「アスターテ会戦」(小説では本編の1巻目)
ラインハルトとヤンが初めてお互いを意識した「第4次ティアマト会戦」。以前にレビューを書きました。
ティアマト星域の会戦では、ボレロのクラシック曲の使い方がカッコよかったよ。
『新たなる戦いの序曲』は、その後のストーリーで、宇宙暦796年(帝国暦487年)「アスターテ会戦」が描かれています。
本編の1、2話のリメイクですが、本編にはないシーンが追加されていて見応えがありました。
『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』ネタバレ感想
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『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』で一番良かったのは、ヤンと親友ラップ、ラップの恋人ジェシカが丁寧に描かれていたことです。
本編1、2話で描ききれなかった彼らのストーリーが心に染みた。
切なくてジーンとしました。ヤン、良いやつですね。小説を読んでいるときから好きなキャラでしたが、ますます好きになりました。
ラップとジェシカ、ヤンの三角関係|自由惑星同盟
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ラップとジェシカ、ヤンの関係にほっこりしながらも切なくなります。2人は結婚の約束をするけど、ヤンもジェシカのことが好きだったのですよね。
第4次ティアマト会戦から帰還したヤンを迎えたラップ。
俺、ジェシカに結婚を申し込もうと思う。いいかな?
「いいんじゃないか」と言うヤンの表情が少し悲しげで、でも優しくて切なかったです。ひとりでヤケ酒をする彼を見ていると胸が痛みました。
ラップはヤンの気持ちに気づいていたんじゃないかな。だからヤンに聞いたんだ。
気になったのはジェシカの気持ちですが、彼女は2人とも好きだったのではないかと・・・。親友の幸せを一番に願うヤンの気持ちを汲んだ部分もあったんじゃないかな。
幸せになるはずの2人を待っていたのは、残酷な現実でした。「アスターテ会戦」です。
第6艦隊司令部幕僚として赴いたラップを、銀河帝国軍が襲う。彼は帰らぬ人に・・・。
ジェシカ・・・、帰ったら結婚式だ。帰るよ、必ず
ラップの最期。ベートーヴェン「月光」の曲とともに描かれた彼の言葉が切なかったです。
ラップの死を知り、絶望したジェシカと彼女を静かに見つめるヤンのシーンも胸が痛みました。
親友と自分の好きな女性の幸せを願っていた彼は、何を思ったのか・・・。
アンネローゼを慕うラインハルトとキルヒアイス|銀河帝国
心が和んだのは、ラインハルトとキルヒアイス、アンネローゼの3人のシーンです。
姉の前でのラインハルトは、幼い子どもみたいだ。戦場では冷徹な一面もあるんだけど・・・。
微笑ましく感じられた幸せなワンシーンですが、それは悲しみの上に成り立っています。
皇帝に見初められて後宮に囚われているアンネローゼを救うために、地位を獲得しようと躍起になっているラインハルト。
あと何回戦えば、姉上を救い出せるのだろう
アンネローゼは、そんな彼を心配していました。姉弟を見ていると、微笑みの裏に哀愁が漂っていて、なんとも言えない気持ちになります。
ジーク、お願いするわ。このわんぱく坊主が道から外れないように見張っていてね。放っておくと、どこへ飛んでいくか、わからない子だから
アンネローゼの気持ちを汲み、慕うキルヒアイスは、ラインハルトの良き理解者。ラインハルトを通して繋がる2人に美しさを感じました。
ちょうど小説の2巻目〈野望篇〉を読み終わったところだったから、キルヒアイスが眩しく感じた。
リング状の陣形「アスターテ会戦」
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アニメ本編と劇場版の「アスターテ会戦」は、やはり面白かったです。小説を読んでからのアニメですが、映像で見ると迫力がありますね。
ラインハルトとキルヒアイスの息がぴったり。お互いを信頼していて良いコンビでした。
銀河帝国よりも自由惑星同盟の艦隊数が圧倒的に多かったけど、ラインハルトの戦略で一気に勝利が銀河帝国に傾きます。
宇宙戦争は艦隊の数で決まる。
同盟軍艦隊は全体の数では勝っていたけど、分散していたために大被害を被るんだ。
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第6、第4艦隊も壊滅した自由惑星同盟軍。ヤンは被害を最小限にするために作戦をめぐらせます。これも「アスターテ会戦」のみどころの一つですね。
我々は現在のところ負けているが、要は最後の瞬間に勝っていればいいのだ
ヤン、かっこいい。
ラインハルトは悔しがっていたけど、リング状の陣形にならざるを得なかったんです。勝利を目前での逆転劇。
帝国軍の後ろに同盟軍がつき、仕方なく帝国軍も同盟軍の後ろにつく。
結果的には帝国軍の勝利だったけど、ヤンの作戦はすごいよね。
『銀河英雄伝説』ラインハルトとキルヒアイスの最強コンビ
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ラインハルトとキルヒアイスのコンビが好きです。わんぱくなラインハルトを優しい眼差しで見守るキルヒアイス。
ラインハルトの野望は、とてつもなく大きなものでした。
負けなどするものか。俺とお前がともに戦う限り。この宇宙を手に入れるまではな
この2人だったら、夢も実現しそうだ。
ラインハルトとキルヒアイスのコンビが尊いものに思えます。良き理解者ですね。
アスターテ星域へ向かう戦艦の中で、星を見ながら手を伸ばすラインハルト。そして彼と同じ宇宙を見つめているキルヒアイス。
このシーンが好きです。
ほんの少しの描写ですが、同じ宇宙を見つめる2人の気持ちは一緒だと実感できる。静かにクラシック曲が流れました。
銀英伝はクラシックが合うよね。
『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』みどころ
- ヤンとラップ、ジェシカの関係
- ラインハルトとキルヒアイスの最強コンビ
- 「アスターテ会戦」ヤンの作戦
『銀河英雄伝説 新たなる戦いの序曲』みどころは、本編では描かれなかったヤンとラップ、ジェシカの関係。ヤンがますます好きになりました。
ラインハルトとキルヒアイスのコンビも素敵だよ。
別館では小説のレビューも書いてるよ。