『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』ネタバレ感想【銀英伝・劇場版アニメ】第4次ティアマト会戦

常勝の天才vs不敗の魔術師
劇場版アニメ『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』感想です。
田中芳樹さん原作小説『銀河英雄伝説』(略して『銀英伝』)外伝1巻の終盤に描かれているストーリー。外伝を読む前にアニメを見ました。

ラインハルトとヤンが初めて戦う、本伝よりも前の物語。
戦艦ブリュンヒルトの初陣であり、宇宙暦795年(帝国暦486年9月)勃発した惑星レグニッツァ上空の戦いと第4次ティアマト会戦を描いたものです。

アニメ本編「アスターテ会戦」は 宇宙暦796年のことだから、前年の出来事だね。


『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』あらすじ&作品情報

帝国暦486年。艦隊を率いてイゼルローン要塞を目指すラインハルトに、ミュッケンベルガー元帥より、要塞に接近しつつある自由惑星同盟軍艦隊を迎撃せよ、との指令が届く。ガス状惑星レグニツァ上空での、同盟軍第二艦隊とラインハルト艦隊の戦闘は、レグニツァの過酷な環境により至近距離での乱戦となる。ラインハルトはこの特異な気象条件を味方につけ、第二艦隊に大損害を与えることに成功した。
常勝の天才・ラインハルトvs不敗の魔術師・ヤン

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アニメ『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』は、ラインハルトとヤンが初めて一戦を交える第4次ティアマト会戦が描かれたストーリーです。
- 【銀河帝国軍】常勝の天才・ラインハルト
- 【自由惑星同盟軍】不敗の魔術師・ヤン

『銀河英雄伝説』は、敵対する2人の英雄キャラが魅力。
2人とも頭がキレて鋭く、英雄と呼ばれるに相応しいキャラ。・・・性格は全然ちがうんですけどね。第4次ティアマト会戦で2人の英雄はお互いを認識します。
銀河帝国軍ラインハルト・フォン・ミューゼル
黄金色の髪と蒼氷色の瞳を持つ青年。美形だけど、どこか冷徹な雰囲気を漂わせるラインハルト。腹心のキルヒアイスと良いコンビでした。
ヤンに対するラインハルトの評価
もうひとり、無視できぬ者が現れた
ティアマト星域での陽動作戦の結果、ヤンはラインハルトの白い戦艦ブリュンヒルトの真下につき、双方の攻撃を止めさせて撤退することに成功しました。

ヤンの作戦、すごかった。
帝国軍には得体のしれないオーベルシュタインや、今後も大活躍するミッターマイヤーも登場します。
自由惑星同盟軍ヤン・ウェンリー
黒い髪と黒い目を持つ青年。司令官に的確な助言をするも認めてもらえないヤンの心情には胸が痛みます。でも、ひょうひょうとしている彼に余裕も感じました。
ラインハルトに対するヤンの評価
いったい誰なんだ、こんな作戦を考えられるやつは・・・
レグニツァ上空戦でのラインハルトの戦略はみごとでした。ヤンも同じことを考えていたけど、敵方にも頭のキレるやつがいると戦慄・・・。

ラインハルトの作戦勝ちだった。
ヤンの士官学校時代の後輩で友人アッテンボローも登場しました。
『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』ネタバレ感想|第4次ティアマト会戦

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スペースオペラ『銀河英雄伝説』アニメ。原作小説を読みながら、同時進行でアニメ(旧作版)を見ているけど、小説の雰囲気を壊すことなく描かれてます。

ティアマト星域の戦いでは、ボレロが流れているよ。
白熱の戦闘シーンが、クラシックの影響でどこか優雅に感じられる。音楽に合わせて盛り上がったりするから目が離せませんでした。
ラインハルトの戦略により帝国軍の勝利となりますが、第4次ティアマト会戦は撤退するヤンの戦略も見ものです。
レグニツァ上空戦|ラインハルトの作戦
イゼルローン要塞に向かうラインハルトの前に同盟軍艦隊が接近。彼に下りた司令は、レグニツァ上空にて敵艦隊を撃破することでした。

帝国軍ミュッケンベルガー元帥は、ラインハルトを捨て駒として使おうと考えていたんだ。
彼が帝国内でどういう扱いなのかが伺える・・・。ラインハルトを慕う部下たちも描かれています。

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あの方は無駄などなさる方ではない。あの方は何かをする気だ。
心からラインハルトを信頼しているミッターマイヤーとロイエンタール。・・・そうなんです。彼の戦略はムダがありません。
レグニツァ上空での特異な気象条件を考慮し、同盟軍艦隊を破壊する。
レグニツァはヘリウムと水素が占めるガス状の惑星。帝国軍は同盟軍を残し急上昇して上昇気流を発生させ、ラインハルトは命令を下します。
核融合ミサイルを発射しろ
ガス状の惑星にミサイルを撃ったら大爆発しますね。同盟軍艦隊は上昇気流により爆発に巻き込まれ大損害を被りました。

ラインハルト、すごいや。
同盟軍艦隊で唯一、危険を察知していたのはヤン准将でした。
敵に、私と同じことを考えるやつがいるとは・・・
白い戦艦ブリュンヒルトの司令官・ラインハルト。まだこの時点でのヤンは彼の名前を知りません。
続くティアマト星域での会戦後、ヤンとラインハルトはお互いの名前を知ることになります。
ティアマト星域|優雅なボレロとヤンの陽動作戦

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ティアマト星域の会戦では、ボレロのクラシック曲が流れます。激しい戦いなのに、優雅に感じられて魅せられました。
ティアマト星域にて同盟軍艦隊を待ち伏せる帝国軍。左翼に配置されたラインハルト艦隊に下された指令は敵正面への前進でした。
やはり元帥は、我々を生贄にするつもりのようですね
キルヒアイスの言葉にギョッとします。前からは同盟軍艦隊が、後ろからは同盟軍を狙う帝国軍艦隊が迫る・・・。

ラインハルトは敵と味方の間に挟まれたカタチだね。
ラインハルトを道連れに同盟軍を攻撃しようとする帝国軍。でも敵が射程距離に入った瞬間、ラインハルトは右に進路を転換します。
帝国艦隊の中央と右翼は同盟軍艦隊と衝突。囮になったのは、むしろ本隊・・・。
このシーン、爽快でした。涼しい顔してサラッととてつもないことをやってのけるラインハルト。スカッとします。

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帝国軍にやられっぱなしの同盟軍だけど、ここからヤンは陽動作戦を提案。敵の攻撃を封じ込めることに成功するんです。
味方を無事に逃がすための陽動作戦。ヤンは自ら囮となり、要塞を攻撃しようと見せかける。
ボレロのクライマックス。音楽が盛り上がるにつれて、帝国軍と同盟軍の激しい攻撃戦がくり広げられます。
このシーンも見応えあるんですよね。クラシック曲ボレロと映像がぴったり合っていて、最高の盛り上がりを見せます。
やがて、ヤンはラインハルトの白い戦艦ブリュンヒルトの真下にペタリとくっつきました。

発砲すればラインハルトとヤンもろとも全滅だ・・・。
戦艦ブリュンヒルトが人質のようになり、戦慄するラインハルト。激しい攻撃戦から一転、静まり返る戦場にあ然とします。
第4次ティアマト会戦は 帝国軍が同盟軍を撃退しましたが、ラインハルトの心にしっかりとヤンが刻まれた戦いでした。
ラインハルトとヤンの立ち位置
『わが征くは星の大海』は、ラインハルトとヤンの立ち位置が明確に描かれていて苦味があります。
ラインハルトを認めてない、帝国艦隊司令官グレゴール・フォン・ミュッケンベルガー。
姉とは言え女の力で陛下に取り入り昇進したような男を、どうしてこの私が歓迎せねばならぬのかな
彼はそんな男ではないのに・・・。若くてハンサム、しかも有能な軍人とくれば嫉妬の対象となっても仕方ないのかな。

でもラインハルトは捨て駒になるつもりはないんだ。良く言えば有能、悪く言えば生意気。
同じ有能な軍人でもラインハルトと正反対の印象を受けるのは、自由惑星同盟軍のヤン准将です。

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ヤンも、なかなか上の人には認めてもらえない・・・。これは司令官が無能なんだけど、苦味がありました。
レグニツァのときも、もっと強く司令官を説得していれば、あんなに犠牲を出さずに済んだかもしれない

この後悔があったから、ティアマト星域にて彼は自ら囮となり陽動作戦を実行したんだね。
ラインハルトが上層部を翻弄させるのに対して、ヤンは逆らわずに出来ることを成す。2人のスタンスの違いも浮き彫りにされていました。
『銀河英雄伝説』は、人間関係のドロドロ感があったりして面白い。彼らの気持ちを想像して歯がゆい思いを味わったり、感情が揺れ動きます。
「銀河英雄伝説」見る順番|初めてなら『わが征くは星の大海』がおすすめ

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銀英伝アニメを見る順番は、初めてなら『わが征くは星の大海』がおすすめです。
- 『銀英伝』の雰囲気がつかめる
- ラインハルトやヤンの立ち位置がわかる
- 1時間アニメだからサクッとみれる
帝国軍と同盟軍の宇宙戦争や、2人の英雄ラインハルトとヤンの作戦など、ざっくりとアニメの雰囲気がつかめます。帝国軍内でのラインハルトの立ち位置や、同盟軍のヤンの人柄もわかる。

1時間アニメは、サクッとみれるのが良いね。
アニメ本編は長編です。初めてみるとき、少々気合いが必要・・・。まずは劇場版『わが征くは星の大海』を見てみる。
面白かったら、そのまま本編へ。


でも原作小説を読んでいる人なら、必ずしも『わが征くは星の大海』を1番初めに見なくても良いです。本編から見る(小説の出版順)のも楽しめるかと・・・。
『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』みどころ

- 第4次ティアマト会戦
- ボレロの曲がかっこいい
- 2人の英雄
『銀河英雄伝説 わが征くは星の大海』みどころは、第4次ティアマト会戦で活躍する2人の英雄ラインハルトとヤン。

2人がお互いを初めて認識する戦いだから見ものだった。
ボレロの曲と宇宙戦争シーンも違和感なくてカッコよかったです。クラシックの曲をこういう風に使うの、素晴らしいですね。
『銀河英雄伝説』を初めて見るのであれば『わが征くは星の大海』がおすすめ。1時間でサクッとみれるし、内容もわかりやすいです。




別館では小説のレビューも書いてるよ。