『銀河英雄伝説』ネタバレ感想・アニメ2期の魅力|決戦!銀河帝国vs自由惑星同盟
勝ちつづけて、勝ちつづけて、最後になって負けるのか。
アニメ『銀河英雄伝説』2期の魅力と感想です。第1期でキルヒアイスがいなくなっても歴史は進んでいく・・・。
第2期は銀河帝国と自由惑星同盟の宇宙戦争が一応の終結を迎えるよ。
原作小説で言うと、3〜5巻までの内容。第2期で物語のちょうど半分、一応の一区切りですね。
銀河帝国と自由惑星同盟が全面戦争に出ます。ラインハルトとヤンの対決も描かれていました。
『銀河英雄伝説』アニメ2期あらすじ&作品情報
帝国領進攻作戦と救国軍事会議のクーデターで多くの熟練兵を喪った同盟軍。その穴は新兵によって埋めざるを得ず、ここイゼルローン要塞でも新兵を早く一人前にするための猛訓練が行われていた。そんな中、訓練に出ていたアッテンボロー分艦隊が帝国軍と遭遇、戦闘に入る。新兵も戦闘に加わるが、その中にはユリアンの姿もあった。戦闘艇スパルタニアンに乗り込み、初めての戦闘を経験するユリアン。戦闘は激しさを増し、いよいよ混迷の度合いを深めていく。
『銀河英雄伝説』アニメ2期の魅力|さらに際立つキャラと全面戦争
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『銀河英雄伝説』アニメ2期では、第1期に続き、ラインハルトとヤン以外のキャラにも、より魅力が際立ってきます。
- 自由惑星同盟のユリアン
- 銀河帝国軍の双璧、ミッターマイヤー&ロイエンタール
自由惑星同盟では、後にヤンの後継者となるユリアンの活躍が目を引きました。他にも銀河帝国からの亡命者メルカッツやフレデリカも素敵です。
銀河帝国では、ミッターマイヤーとロイエンタールの両提督が大活躍。キルヒアイス亡き後、ラインハルトを支える帝国軍の双璧です。
鉄壁のミュラーもかっこよくて、第2期からキャラが突出してくるよ。
見れば見るほど魅力が深まり、『銀英伝』の世界に没頭していくんですよね。本当にキャラに魅力ありすぎです。
ユリアンの成長|初陣、そしてフェザーンへ
第2期エピソード1(27話)は、ユリアン回でした。彼の初陣が描かれています。
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ユリアン・ミンツ。
ヤンの被保護者で、彼に憧れを抱き軍人になった少年です。・・・一番身近にいるヤンは反対していたのだけど。
初陣とは思えない好成績だったよ。
ユリアンが無事に帰還したときの周りの人たちの視線が優しいんです。ヤンの仲間たちは、みんなイゼルローン要塞をホームとした家族みたいで、ほっこりしました。
中盤のエピソード13「ひとつの旅立ち」(39話)では、辞令が降りてフェザーンへ旅立ちます。
僕が、フェザーンに・・・
フェザーン同盟高等弁務官事務所への転任を命じられました。彼もショックが大きいけど、ヤンにとっても子離れですね。
フェザーンは今まで中立の立場だったけど、銀河帝国と手を結び、同盟軍を追い落とそうとするんだよね。
3つの惑星の立ち位置が崩れるのも第2期のみどころです。
帝国軍の双璧ミッターマイヤー&ロイエンタール|友情と過去
銀河帝国では、キルヒアイス亡き後、ミッターマイヤーとロイエンタールのキャラがより際立ってきました。
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「疾風ウォルフ」の異名を持つウォルフガング・ミッターマイヤー、金銀妖瞳の提督オスカー・フォン・ロイエンタールです。
帝国軍の双璧と言われるほど強い彼らは、友人同士でもあるんだ。
2人がかっこいい。彼らの友情や絆は、ラインハルトとキルヒアイスのそれに通じるものがありました。
第2期エピソード2(28話)「肖像」では、ミッターマイヤーとロイエンタールの過去が描かれています。
原作小説を読んでいるときも、アニメを見ているときも気になったのは、ロイエンタールの心の闇でした。
左右の瞳の色が違う金銀妖瞳の彼は、女性にコンプレックスを抱いているんです。
俺は目が開くようになると、すぐに実の母親の手で、右目をえぐり出されるところだったんだ
母と愛人との間に生まれたロイエンタール。やがて母は自殺、父は「お前は生まれてくるべきではなかった」と繰り返す・・・。
壮絶な過去を背負っているけど、ミッターマイヤーとともに大活躍。
彼の心情が気になりつつも、宇宙戦争シーンは目が離せませんでした。
銀河帝国と自由惑星同盟、全面戦争へ|キルヒアイスとの約束
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キルヒアイスとの約束、宇宙を手に入れるために動き出すラインハルト。銀河帝国と自由惑星同盟の全面戦争が描かれています。
バーミリオン星域会戦での死闘は見応えがあったよ。
でも彼の心にぽっかり空いた穴は誰も塞ぐことは叶いません・・・。それが切なさを誘いました。
キルヒアイスの不在です。
ラインハルトが胸のペンダントを握りしめるのを見ると複雑な気持ちになるんだ。
彼の中にキルヒアイスが存在するのは、温かな気持ちと哀い気持ちになります。キルヒアイスの存在がいかに大きいのか・・・。
第2期は、ラインハルトの孤独も際立っていました。彼の周りにはたくさんの部下がいるけど、心は満たされていないのですよね。
『銀河英雄伝説』アニメ2期ネタバレ感想|白熱の宇宙戦争
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『銀河英雄伝説』アニメ2期で白熱したシーンは、スペース・オペラが奏でる宇宙戦争です。気になったものは4つありました。
- イゼルローンvsガイエスブルク
- 神々の黄昏(ラグナロック)第1弾、イゼルローン回廊戦
- ランテマリオの決戦
- バーミリオン星域会戦
イゼルローン要塞のヤン、大忙しだ。
イゼルローンvsガイエスブルク|主砲トゥールハンマーとガイエスハーケンの威力
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ガイエスブルク要塞をイゼルローン要塞までワープさせて戦う戦略は見応えありました。
司令官はケンプ、その下にミュラーです。
ガイエが、羽ばたいた
宇宙に浮いているガイエスブルク要塞の姿は神秘的なものがあります。こういう映像にも心躍るんですよね。
ガイエスブルク要塞は、第1期のラストでキルヒアイスが命を落としたところでもあります。
要塞同士の戦争は同盟軍にとっては不利な条件(ヤンの不在)の元、開始されました。クラシック曲とともに盛り上がる主砲の撃ち合いがすごかったです。
「トゥールハンマー」vs「ガイエスハーケン」
今までの宇宙戦争は、要塞vs戦艦、戦艦vs戦艦だったから新鮮。
BGMがクラシックだから優雅にも感じるんですよね。これも『銀英伝』アニメの素晴らしいところ。
要塞対要塞の戦いは、イゼルローン(同盟軍)の勝利に終わります。
ガイエスブルク司令官ケンプは、判断を誤りました。・・・というより、勝つための戦略に気づくのが遅かったと言えるかもしれません。
始めっから要塞に要塞をぶつければ、勝てていたのかもしれないんだ。
最後に気づくけど帰還したヤンに防がれ、結果、ケンプは帰らぬ人に・・・
この戦いを経て、ミュラーが好きになりました。後に「鉄壁のミュラー」と異名をつけられる人物です。
神々の黄昏(ラグナロック)決行!|陽動作戦、ロイエンタールvsシェーンコップ
中盤から、いよいよ宇宙を手に入れるために動き出すラインハルト。対、自由惑星同盟です。
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ラインハルトの作戦「神々の黄昏(ラグナロック)」は、なるほど、優れたものでした。
- 陽動としてイゼルローン回廊に兵をすすめる(司令官はロイエンタール)
- イゼルローン回廊に増援軍を送ると見せかけ、フェザーンへ兵をすすめ占拠する(司令官はミッターマイヤー)
- 本陣はフェザーン回廊を通り同盟領へ侵攻する
この作戦のキモは、フェザーン回廊を抜けて同盟領へ進む点にあるんだ。
ヤンはラインハルトの作戦を予見していたけど、動き出した波はもはや止められません。銀河帝国とフェザーンは手を結び、3惑星の関係が崩れました。
奇しくも「フェザーンの黒狐」ルビンスキーの思惑通りになったわけですね・・・。
ラグナロック第1弾
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イゼルローン回廊での宇宙戦争は白熱。派手に交戦して、増援軍を送ると見せかけフェザーンへ兵を進めるための陽動作戦です。
司令官はロイエンタール、副司令官にレンネンカンプとルッツ。
艦隊に乗り込んできた「薔薇の騎士(ローゼンリッター)」連隊長シェーンコップとロイエンタールの一騎打ち、白兵戦が繰り広げられました。
とんだ茶番を演じてしまった。艦隊司令官たるものが、白兵戦をやるとはな
ロイエンタールが功を焦るなんて珍しい。
この後、イゼルローン回廊に増援すると見せかけ、フェザーンへ向かうミッターマイヤーとミュラー。帝国軍はフェザーン回廊を通り同盟領へ・・・。
ヤンは、帝国軍への置き土産を残してイゼルローン要塞を放棄します。
彼が残した置き土産は、今後、イゼルローンに帰還するときに明かされるのですよね。
ランテマリオの決戦|双頭の蛇
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エピソード22(48話)、ランテマリオの決戦で描かれる戦いと「双頭の蛇」の陣形も見応えがありました。
先陣を切るのは「疾風ウォルフ」こと、ミッターマイヤー。対する同盟軍の司令官はビュコック提督です。
軍人たる軍人、ビュコック老提督もかっこいいんだ。
「双頭の蛇」陣形の胴体部がミッターマイヤー艦隊ベイオ・ウルフでした。同盟軍の無秩序な攻撃によって押されるミッターマイヤー。
呆れたものだ。見境なしだな。奴らには計算も計画性もないのか。常軌を逸している
珍しい・・・。ミッターマイヤーでも押されることがあるのですね。
ランテマリオの決戦では、ミュラー、ファーレンハイト、ワーレン、ビッテンフェルトなどの提督たちも集結。テンポ良く切り替わる戦いに目が離せません。
わが艦隊の辞書には後退とか迂回とか、まどろっこしい言葉は載っておらん
さすが、「黒色槍騎兵艦隊(シュワルツ・ランツェンレイター)」率いる猛将ビッテンフェルト。突撃は望むところです。
勢いにのった帝国軍に同盟軍は力及ばず・・・。この時、救援に来たのがヤン艦隊でした。後退する帝国軍を後目に、ヤンは味方の壊滅を防いだのです。
不敗の魔術師ヤン・ウェンリー。
ティアマト、アスターテ、アムリッツァ、そしてランテマリオでも、ラインハルトの完璧な勝利とはなりませんでした。
キルヒアイス、お前がいてくれたら、ヤン・ウェンリーなどに白昼の横行などさせぬものを……
悔しそうなラインハルトが印象に残ったよ。
バーミリオンの死闘と会戦前のプロポーズ
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バーミリオン星域会戦は、ゴールデンバウム王朝最後の戦いとなります。ちょっぴり映像がグロくてまさに死闘・・・。
ラインハルトvsヤンの直接対決。→勝利は、銀河帝国ラインハルトのものとなりました。
でも、またもや完璧な勝利ではなかったんだよね。
ラインハルトの絶望と無条件停戦命令
いつも逃げる戦略ばかりだったヤンが積極的に攻戦に出ると、初めてラインハルトが負けそうになります。
勝ちつづけて、勝ちつづけて、最後になって負けるのか。キルヒアイス、おれはここまでしかこられない男だったのか
ラインハルトの絶望を感じました。ミュラーが駆けつけたけど、負けるのも時間の問題・・・。
その時、突然、ハイネセンから入った「無条件停戦命令」により、ヤンは戦いを停止するのです。
もし命令が入らなければ、勝っていたのはヤンだったかもしれない。
ラインハルトは複雑でしょうね。またもや、完璧な勝利とはならなかったのだから・・・。
ヤンのプロポーズ
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バーミリオン星域会戦の前に描かれていた、フレデリカへのヤンのプロポーズにジーンとしました。
要するに……要するに、結婚してほしいんだ
「きみより7歳も年上だし」とか、「生活人としては欠けたところがあるし」・・・などと言うヤンに吹き出してしまったけど。
『銀河英雄伝説』第1期の1、2話のリメイク版、劇場版アニメ『新たなる戦いの序曲』を思い出しました。
ヤンはかつて、親友ラップと結婚の約束をしたジェシカのことが好きだったんだよね。
『新たなる戦いの序曲』では3人の仲睦まじい様子も描かれていました。その時は切なかったけど、フレデリカへのプロポーズが実って良かったです。
『銀河英雄伝説』アニメ2期みどころ・おすすめポイント
- キャラの成長と魅力
- 銀河帝国と自由惑星同盟の宇宙戦争
『銀河英雄伝説』アニメ2期みどころは、ユリアンの成長やミッターマイヤー&ロイエンタール、ミュラーといったキャラの魅力が満載に描かれているところ。
第1期よりも登場人物に深みが出てきて、感情移入したりと面白かったです。
スペース・オペラの宇宙戦争もすごかったよ。
原作未読の方は小説もおすすめ。田中芳樹さんの筆力がすごくて圧倒されました。本伝は全10巻です。
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